私等わっしら)” の例文
へい、私等わっしら、こう見えて、へへ、何も見得なことはござりやせんが、これで昔の雲助でござりやす。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
檜舞台の立女形たておやま私等わっしらみたような涼み芝居の三下が知己ちかづきッてのもすさまじいんですが、失礼御免で、まあ横ずわりにでもなって、口を利くのには仔細しさいがなくッちゃあなりませんとも。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その様子ッたら、まるで雛がどっと惣立ちになったように、私等わっしらが胸に響いたんです。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もんでもありさえすりゃ、中汲なかくみだろうが、焼酎しょうちゅうだろうが、徳利の口へ杉箸すぎばし突込つっこんで、ぐらぐらえ立たせた、ピンと来て、脳天へみます、そのね、私等わっしらで御覧なさい、においいだばかりで
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私等わっしらの氏神様だ。」
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)