“禁遏”の読み方と例文
読み方割合
きんあつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私の愛の表示もその肝心な幼若の時期において不自然な束縛と禁遏きんあつをうけたがために奇怪にも特に父母のまえに萎縮し退化してしまった。
母の死 (新字新仮名) / 中勘助(著)
自由の利く者は誰しも享楽主義になりたがるこの不穏な世に大自由の出来る身を以て、淫欲までを禁遏きんあつしたのは恐ろしい信仰心の凝固こりかたまりであった。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
徳川時代には幕府の勢力はなはだ旺盛で、諸侯の間にかかる関係の生ずるのを禁遏きんあつしておったけれど、それでもこの種のことが絶無であったとはいえない。