神供じんく)” の例文
たとえば年越や節供の前夜には、特に清い火をこしらえて翌朝の神供じんくを調えるりょうにいけて置き、または正月中は同じ火を続けるために、節榾せちほだなどという太いまきを使うところもある。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
伊勢の松阪あたりの山神祭りの飾り人形に、白餅喰いというのがあったことは、本居もとおり先生の日記にも見えている。秋の終りの神送りの日には、是は欠くべからざる神供じんくであった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
今では神供じんくとか仏供ぶつくとか、上に奉るもののみに限るようになったが、もとの心持はこの漢字の構造が示すように、人が共々に同じ飲食を、同じ場においてたまわることまでを含んでいた。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)