碧瑠璃海岸コオト・ダジュウル春風はるかぜを肩で切りながら、夢のように美しいニースの『英国散歩道プロムナアド・デザングレ』や、竜舌蘭アロエスの咲いたフェラの岬をドリヴェできるというわけなのよ。
せっかく公爵と別懇になって、この冬は碧瑠璃海岸コオト・ダジュウルにふさわしい快適な生活ができると思ったのに、どうやらあの公爵の脳髄は大分混雑しているようだ。
薄寒き棟割長屋アパルトマンの一室にて祝うことになったが、コン吉たるもの、風光明媚めいび、風暖かに碧波おどる、碧瑠璃海岸コオト・ダジュウルの春光をはるかに思いやって鬱々うつうつとして楽しまず、一日
二人はその夕方、ボウム駅からP・L・M急行パリ・リヨン・メディティラネで、常春とこはる碧瑠璃海岸コオト・ダジュウルへ向けて出発した。
一月上旬の顕出節エピファニイから、五月下旬の基督昇天祭アッサンシオンまで、碧瑠璃海岸コオト・ダジュウル一帯に連る名だたる遊覧地、——就中とりわけて、ニース市は約半歳の間、昼夜を分たぬ大遊楽、大饗宴の熱閙ねっとうと化するのが毎年の恒例。
ついに心神耗弱したるコントラ・バスの研究生きつねのコン吉氏は、その脳神経に栄養を与えるため、常春とこはる碧瑠璃海岸コオト・ダジュウルに向けて巴里パリーを出発したが、その途中において数々の不可解なる事件に遭遇。
予定の十分の一にもたらぬ里程において目的を放棄し、薄暮はくぼ、コオト・ドオル県ボオヌ駅より列車にて碧瑠璃海岸コオト・ダジュウルへ向けて出発したが、図らざりき、列車の取捨を誤ったため、同夜半ふと目覚めれば
碧瑠璃海岸コオト・ダジュウルの人口をことごとくここに集めたかと思わるる盛況。