碁客ごかく)” の例文
夫婦の間には二人の娘まで出来て、家庭は至極円満であったが、ふとしたことから囲碁に興味を持って、素人碁客ごかくの間では評判になるようになった。
法華僧の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
殖産に不適当なる人物なれば、いかなる卓識の先生も、いかなる専門芸能の学士も、碁客ごかく将棋師に等しくして、とても一家の富を起すに足らず。一家富まざれば一国富むの日あるべからず。
慶応義塾学生諸氏に告ぐ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
けれども父の知らしてれた事実はこれだけなのです。周防すおう山口の地方裁判所に父が奉職してた時分、馬場金之助ばばきんのすけという碁客ごかくが居て、父と非常に懇親を結び、常に兄弟のごとく往来して居たそうです。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)