石見銀山いはみぎんざん)” の例文
八五郎は急にきびしくなりました。殺される三日前、專三郎が危ふく石見銀山いはみぎんざんの鼠捕りを呑まされるところであつたといふ噂を思ひ出したのです。
それは石見銀山いはみぎんざん鼠捕りか何んか、猛毒まうどくを飮んで死んだとわかりましたが、死骸の側にはその猛毒を入れたと思はれる椀も茶碗も、紙つ切一つなく
う屋敷中で見張つて居るところへ、新太郎の膳のおさいの中へ、石見銀山いはみぎんざんの鼠捕りを入れたものがありました。
到頭我慢が出來なくなつて、申松の言ひなりに空茶店で逢引することにし、祝言の杯とか何んとか言つて、申松の呑む酒に石見銀山いはみぎんざんを入れたに違ひあるまい
石見銀山いはみぎんざん鼠捕り』の砒石ひせきとわかりましたが、さて、誰が一體そんな事をしたのか、土地の御用聞が三四人顏を寄せましたが、まるつきり見當もつきません。
「すると、御主人は人に殺されたのではなくて、石見銀山いはみぎんざんか何にか呑んで、自害したことになるが——」
「家の中に、お孃樣の命を狙ふ者があるので御座います。一度はお孃樣の御飯の中に、石見銀山いはみぎんざんの鼠取りが入つてゐたのを、重三さんが見付けて大騷ぎをしたことが御座います」
朝の味噌しるに、石見銀山いはみぎんざんを投り込んだ者があります、幸ひ曲者はなべを間違へたので私達は皆んな無事で、下女のお徳と、手代の金之助と下男の五助が少し胸を惡くしましたけれど
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
毒は石見銀山いはみぎんざん鼠捕りだ、こいつは味も匂ひも無いから、防ぎやうは無かつたのだらう、別れの酒へうんと入つて居たのさ、あとは汁にも、め物にも打ち込んで居たに違げえねえ
此家ではそんな物騷ぶつさうなものを買つた覺えはありませんので、いろ/\藥屋で調べましたところ、二た月ばかり前に、喜三郎が自分で石見銀山いはみぎんざんを買つたことがある相です、多分それを
呑んだ證據がうんとある。——石見銀山いはみぎんざんか何んかだらう、此野郎の巣を見よう
石見銀山いはみぎんざんと言つたやうな毒が入つてゐたに違ひない、——伜の幾松の氣が變になつたのは、お由良のせゐだから、昨夜ヌケヌケと縁切話に來たお由良に、毒を盛る氣になつたのも無理はないよ
「俺にも解らないよ。だが、石見銀山いはみぎんざんを手に持つて居たのは可怪しいな」
「よくあるで、醉つて歸つたところを、井戸へ突き落されたり、味噌汁の中に石見銀山いはみぎんざんが入つて居たり、障子の外から眞矢ほんやで射られて首筋に少しばかりだが怪我をしたり、隨分執こくやる相で」
豫々用意した石見銀山いはみぎんざんを持つて、いつものやうに足を揉みに、主人の部屋へ參りますと、主人はよく眠つて居りましたので、そつと煎藥せんじぐすり土瓶どびんふたを取ると、中の藥がプーンと妙な匂ひがしました。
吹かけられたり、食物たべもの石見銀山いはみぎんざんが入つてゐたり、——