目貫めぬ)” の例文
遠慮えんりょなく、乗せてもらうと、目貫めぬきの通りにドライブしながら、ぼくの胸にさした日の丸のバッジを見詰みつ
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
目貫めぬきの処に開業している、遠藤という耳鼻咽喉科病院の玄関に乗りつけた松浦先生は、滝のように流るる汗を拭き拭き、通りかかった看護婦に名刺を出して診察を頼んだ。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
京都でも一番目貫めぬきの四条の大通りを、私はそんな恰好でよち/\歩いて行つたのだつた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
仙台は奥の細道の地であるから、仙台の目貫めぬきの通りの芭蕉の辻というのはそのインネンの地かと思ったら、これが大マチガイなんだそうだね。あの芭蕉には全然関係ないのだそうだ。
徳川三百年の風流の生粋きっすいが、毛筋で突いたやうな柳と白鷺しらさぎ池水ちすいきざみ込まれた後藤派の目貫めぬきのやうなものを並べて、自分の店から持つて来たいろ/\の専門の道具や薬品を使つて手入れしながら
過去世 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)