盗児とうじ)” の例文
『おおかた、ごまの蠅とやら、掏摸すりとやらいう、盗児とうじじゃろう。それが、礼に来おったとみえる。可愛ゆいもののう』
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いやでも応でも、宇宙は刻々にかわるという法則に立つ易学を生んだ隣邦りんぽう中国では、さすがに世の転変てんぺんには馴れぬいていたものか、古来盗児とうじに関する挿話そうわは今の日本にも負けないほど多い。
人間山水図巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)