皎々こう/\)” の例文
尤も四月十五日で青空は一点の雲もなく、月は皎々こう/\冴渡さえわたり、月の光が波に映る景色というものは実に凄いもので、かすかに猿島烏帽子島金沢なども見えまする。
月が皎々こう/\えていたのと、そこらに虫の音が聞えていたのとで、季節が秋であったことは確かであるが、つゞいて庭に下りた滋幹は、自分もあり合う大人の草履を突っかけたけれども
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
月は皎々こう/\くまなくえて流へ映る、誠にい景色だが、高い処は寒うございますので
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と是からあかりを増し折から月が皎々こう/\差上さしのぼりまして、前の泉水へ映じ、白萩しろはぎは露を含んで月の光りできら/\いたしてる中へあかりを置きまして、此方こちらには芸者が並んで居りますから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)