白麻しろあさ)” の例文
(いつも葛織きびらおりの帽をかぶり、白木綿しろもめん白麻しろあさの着物をまとい、素木しらき輿こし、或いは四輪の車に乗って押されてあるいた)
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは夥しい、美しい黄金色こがねいろ渦巻毛カールを、大きな白麻しろあさの西洋枕の上に横たえている西洋人の女の児であった。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
けれども今にもそこに至りそうな気がするので、暗い行灯あんどんの光を便たよりに、蚊帳かやの中をのぞいて見た。彼女は赤い蒲団ふとんを二枚重ねてその上にふちを取った白麻しろあさの掛蒲団を胸の所まで行儀よく掛けていた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
間もなく白麻しろあさの背広の男が玄関をのぞき込んだ。
街底の熔鉱炉 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)