白羽扇びゃくうせん)” の例文
見ればその上に、年まだ二十八、九としか思われぬ端麗な人物が、頭に綸巾りんきんをいただき、身には鶴氅かくしょうを着、手に白羽扇びゃくうせんを持って、悠然と乗っている。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四輪車の上の孔明は、綸巾りんきんをいただき鶴氅かくしょうを着て、服装も常と変らず、手に白羽扇びゃくうせんをうごかしていたが、孟獲が仰天して逃げかけるや、大いに笑って
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孔明は例の四輪車に乗り、白羽扇びゃくうせんを手に持って、日々百里、また百里、見るものみな珍しい蛮土の道を蜿蜒えんえん五十万の兵とともに、果てなく歩みつづけた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
死せりとばかり思っていた孔明は白羽扇びゃくうせんを持ってその上に端坐している。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孔明は素輿そよ(白木の輿)に乗って陣中を見まわり、常のごとく、黄巾こうきんをいただき白羽扇びゃくうせんを持ち、その出入を見るや、衆軍みな敬して、進止しんし軍礼、一のみだれも見ることができません、……実に
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「三国志演義」のうちの本文にしばしば見るところの——身に鶴氅かくしょうを着、綸巾りんきんをいただき、手に白羽扇びゃくうせんを持つ——という彼の風采の描写は、いかにも神韻しんいんのある詩的文字だが、これを平易にいえば
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白羽扇びゃくうせん
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)