白墨チヨーク)” の例文
此處は何學年の教室であつたか、正面の剥げちよろのボールドには、白墨チヨークで海石流に書かれた「忠君愛國品行方正」の八文字が淡く消えかゝつて、ラムプの火に映つてゐた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
教壇に立ツても、調子こそ細いが、白墨チヨークの粉だらけになツた手を上衣コートこすり付けるやら、時間の過ぎたのもかまはずに夢中で饒舌しやべツてゐるやら、講義は隨分熱心な方であるが、其の割には學生は受ぬ。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)