癩病なりんぼ)” の例文
「朝からどうもあの折助の面つきが、眼の底から抜けねえような按配だったが、ありゃあお前、癩病なりんぼじゃねえ。どでえ、病いじゃねえ。」
箇程かほどまでに迷わせたるお辰め、おのれも浮世の潮に漂う浮萍うきくさのようなさだめなき女と知らで天上の菩薩ぼさつと誤り、勿体もったいなき光輪ごこうまでつけたる事口惜し、何処いずこ業平なりひらなり癩病なりんぼなり、勝手に縁組、勝手にたのしめ。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)