癇性かんしやう)” の例文
「左樣、奧方は癇性かんしやうで、夜中でも必ず手洗鉢で手を洗はれる。暫らく經つて、庭石の上に、これを置いてあつたのに氣が付きました」
持ち前の癇性かんしやうを運んで、ぴんと靜かな聽衆の耳に響いたと思はれたので、この演奏會のレコード破りをやつたやうな申しわけ無さを感じた。
「金貸の阿波屋の主人が、癇性かんしやうで、用心が惡いとか言つて、野良犬の通り道までふさいでしまひましたよ」
「町内の湯屋へ行きました。もう歸る頃ですが——兄さんは癇性かんしやうで、夜の湯へは入れない人ですから」
「三文字屋のお店は南新堀だが、大旦那は癇性かんしやうで多勢人のゐるところでは寢られないと言つて、毎晩亥刻よつ(十時)になると、靈岸島の隱居家へ引揚げて休みなさるんで」
私は癇性かんしやうでそんな樣子をして居たくないからすぐ身仕舞ひを