痴呆たわけ)” の例文
旧字:癡呆
善「左様なまねをするから打擲したが如何いかゞ致した、汝はな此の斯様かような所へ立廻ると許さぬから左様心得ろ、痴呆たわけめ、早く帰れ/\」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
定めて重要事件の打ち合せなるべしと思いほかれるには似もやらず、痴呆たわけの振舞、目にするだにけがらわし、アア日頃頼みをかけし人々さえかくの如し、他の血気の壮士らが
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
有難なみだに曇っている痴呆たわけどもに、この板敷山の谷底で、鳥、狼のとなって食い荒らさるる親鸞の終りを見せてくれたなら、少しは、念仏の末路と、極楽ごくらく往生の夢がやぶれて
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新「どうもしからん鍼医だ、鍼を打ってその穴から水が出るなんという事は無い訳で、堀抜井戸ほりぬきいどじゃア有るまいし、痴呆たわけた話だ、全体う云うものかあれり来ませんナ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)