疫病神やくびやうがみ)” の例文
「北條左母次郎さもじらう樣。——二十七の無役だ。祿高三千二百石、殿樣と言はれる御身分だが、腕ができてかんが強くて、人附合ひが嫌ひで、御近所でも疫病神やくびやうがみのやうに恐れてゐる」
銭形平次捕物控:126 辻斬 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
つとむ其節の口上には近々天一坊京都御見物の思召あれば御上京ごじやうきやう遊ばすに付當表の御旅館りよくわん引拂ひきはらひ成べくに付此段お達しに及ぶとのおもむきなり夫と聞より大坂の役人中やくにんちう疫病神やくびやうがみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ひとには疫病神やくびやうがみのやうにいとはれながらも毛虫眉毛けむしまゆげうごかしてやさしきことばのもれいづるぞをかしき。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)