男色だんしょく)” の例文
たとえばある彫刻家などは大きい鬼羊歯おにしだ鉢植はちうえの間に年の若い河童かっぱをつかまえながら、しきりに男色だんしょくをもてあそんでいました。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
今日こんにちは知らずその当時は長き年月の無聊むりょうの余りにやあらん、男囚だんしゅうの間には男色だんしょく盛んに行われ、女囚もまた互いに同気どうきを求めて夫婦の如き関係を生じ
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
しらみを殺す位の小さな罪を非常に恐れてからして遠廻りする位の事をやって居ながら、男色だんしょくふけるとか牧畜ぼくちくを遣って生物いきものを殺すような仕事をして居るではないか。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
次に起りし美少年の若衆わかしゅ歌舞伎もまた男色だんしょくの故を以て承応しょうおう元年に禁止せられて野郎やろう歌舞伎となりぬ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)