男娼かげま)” の例文
不義の密通をした奥女中なにがしの顔となり、また柳絮と思ったその首は幾年の昔堺町さかいちょう楽屋がくや新道辺じんみちあたり買馴染かいなじんだ男娼かげまとなっていた。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
男娼かげまのことは余談にわたりますから、詳しくは申し上げませんが、なにしろ女と違って、子供時代が売り物ですから、十七八にもなればもうお仕舞いです。
半七捕物帳:55 かむろ蛇 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
何か釜の祝いと云って……全体ぜんてい男娼かげまを買って遊ぶのがいんですが、何か面白い趣向がありましょう
人間はずうずうしくっても、男娼かげまあがりのひょろひょろした野郎だ。おめえ一人でたくさんだろう。いや、待て。下手に逃がして何処かの寺へでも逃げ込まれると面倒だ。おれも一緒に行こう
半七捕物帳:55 かむろ蛇 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「湯島の茶屋にいた……。男娼かげまのあがりか」
半七捕物帳:55 かむろ蛇 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)