甥子おいご)” の例文
姪子甥子おいごの心意気を汲んでみろ、其餅のまずかろう筈があるめい、山百合は花のある時が一番味がえいのだそうだ、利助は、次手ついでがあるからって
姪子 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
岸本等は停車場前の宿屋でその日を送ることにした。食事にだけ来いと言って、夕方には主婦の甥子おいごが使に来たので、五人の一行は町はずれの家の方へ歩いて行った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
なんだ貴様はちょうの折りようを知らぬかと甥子おいごまでしかとばして騒ぐは田舎気質かたぎの義に進む所なり
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
兄、義理ある甥、姉妹きょうだいめい甥子おいご、それから姪子——それらの人達が一団として残して置いて行った空気は、皆帰って行った後に成っても妙に強い力で岸本の心を圧した。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そういう折には彼はよく主婦の甥子おいごに当るエドワアルをも伴った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)