玻璃ギヤマン)” の例文
舶載物はくさいものであろう、幅二尺七、八寸、長さ五尺ほどな玻璃ギヤマンの鏡——、それが、行きづまりの壁に、戸のようにはめこんであったのだ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それはどこかから、チャリンチャリンと楽玻璃グラスハーモニカのように、一定の節奏リズムをもって、快い玻璃ギヤマンの音が響いてくるのであった。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
と云うのは、あの時小六と逢痴との間は、玻璃ギヤマンの房に隔てられていて、たしかに小六は、その三稜鏡プリズムのため、二重に見えたのではないか——と考えられたからだ。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
つまり、この二つの玻璃ギヤマン房は、最初老人の首が掛ったときには振動するが、それから撚目よりめが、行き詰りまでゆく間には、しだいに衰えて、極限に達すると静止するのだ。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)