玉山ぎょくざん)” の例文
お紋は元が元だけに、すっかり三人をつぶしてしまいました。あかりが入った時は、もう玉山ぎょくざん崩れて、足の踏み場もないほどの有様です。
赤島家に賊が這入って大金を奪い、且つ名器「玉山ぎょくざん」をかすめ去った事が新聞に洩れて仰々しく書き立てられた。
黒白ストーリー (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
玉山ぎょくざんまさに崩れんとして釘抜藤吉の頬の紅潮あからみ。満々と盃を受けながら、葬式彦兵衛が口詠くちずさんだ。
陽のあるうちからの酒で、玉山ぎょくざんまさに崩れおわんぬ狂態、源吉のひざに片手をもたれて、さかずきをこう斜めに捧げたまま、美しいが、少し三白眼に据えられたのです。
哲也は師匠歌寿が秘蔵の名器「玉山ぎょくざん」を是非譲ってくれと頼んだが歌寿は亡夫の形見だからと断った。
黒白ストーリー (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)