玄斎げんさい)” の例文
武蔵の物語を半分も聞かぬうちに、ふふん、と笑い、のう玄斎げんさい、と末座に丸くかしこまっている茶坊主ちゃぼうずの玄斎に勝手に話掛け
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「そうだ、頼もうと思ったまま忘れていたが」と直衛が云った、「河本家に玄斎げんさい日録というのを書いた人がいるか」
改訂御定法 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
世田ヶ谷の家には十年ほど前まで、八十歳で世を去った熙の父玄斎げんさいが隠居していた。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「村野玄斎げんさい、井島頼母たのも、栗木与八の三人は死んだ」と渡貫が云った。
燕(つばくろ) (新字新仮名) / 山本周五郎(著)