猿廻さるまわし)” の例文
そこへ、手水鉢へ来て、手を洗ったのが、若い手代——君が云う、その美少年の猿廻さるまわし
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
モ一人ほかに知ってるものがあるそうで、始終母様がいってお聞かせの、それはあすこに置物のようにかしこまっている、あの猿——あの猿のもとの飼主であった——老父じいさんの猿廻さるまわしだといいます。
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちょうどまちの場末に住んでる日傭取ひようとり、土方、人足、それから、三味線さみせんを弾いたり、太鼓をならしてあめを売ったりする者、越後獅子えちごじしやら、猿廻さるまわしやら、附木つけぎを売る者だの、唄を謡うものだの、元結もっといよりだの
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)