狻猊さんげい)” の例文
それはから狻猊さんげいか何かの、黄金色きんだの翠色みどりだのの美しくいろえ造られたものだった。畳に置かれた白々しろじろとした紙の上に、小さな宝玩ほうがんは其の貴い輝きを煥発かんぱつした。女は其前に平伏ひれふしていた。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その相反する実にかくの如し。しこうしてその相反するは、則ち相得る所以ゆえんなるか。松陰曰く、「象山高く突兀とっこつたり、雲翳うんえい仰ぐべきこと難し。いずれの日にか天風起り、快望せん狻猊さんげいわだかまるを」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)