“狸山”の読み方と例文
読み方割合
たぬきやま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで、智慧蔵は村の若者十人をつれて、狸山たぬきやまへ探検に出かける事になりました。智慧蔵は長いやりを提げ、若者は各々めいめい刀を一本づゝ腰に差してゐました。
馬鹿七 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
紀州きしうの山奥に、狸山たぬきやまといふ高い山がありました。其所そこには、大きなかしだの、くすだのが生えしげつてゐる、昼でも薄暗い、気味の悪い森がありました。森の中には百あなといふのがありました。
馬鹿七 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
そして高い高い狸山たぬきやまは、一本の生木もないやうに焼かれてしまひました。火事のあとで、村の人達が上つて行つて見ますと、百穴の中から、ひ出して来た古狸も仔狸こだぬきも、皆な焼け死んでゐました。
馬鹿七 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)