狡黠こうかつ)” の例文
その理由を問えば、曰く、「その情もとより狡黠こうかつにして、その状またすこぶる猖獗しょうけつなり」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
捷智しょうち部においては「霊変」を説き、語智部においては「善言」を説き、兵智部においては「詭道」を説き、閏智じゅんち部においては「雄略」を説き、雑智部においては「狡黠こうかつ」を説いた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
けだしバッジの『埃及エジプト人の諸神』一巻二一頁に言えるごとく、狗頭猴のこの種は至って怜悧で、今も土人はこれを諸生物中最も智慧あり、その狡黠こうかつを遥かに人間を駕するものとして敬重す。
かつ北条が敵し得ぬにしても長く堪え得るようならば、火事は然程さほどに早くひさしへ来るものでは無い、と考えて、狡黠こうかつには相違無いが、他人交際づきあいの間柄ではあり、戦乱の世の常であるから、形勢観望
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)