狙撃ねらいうち)” の例文
三里の荒野あれの跋渉ばっしょうして、目に見ゆるもの、手に立つもの、対手あいてが人類の形でさへなかつたら、覚えの狙撃ねらいうちて取らうと言ふのであるから。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「総花にフリいてやるというのに、そう遠慮するなら今度ぁ、狙撃ねらいうちだぞ、それその前につん出た三ぴん野郎! こっちへ向け、そうら、手前のおでこの真中へ、一つお見舞」
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こはかの悪僕八蔵が、泰助に尾し来りて、十分油断したるを計り、狙撃ねらいうちしたりしなり。僥倖さいわいに鏡を見る時、後に近接ちかづく曲者映りて、さてはと用心したればこそ身を全うし得たるなれ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
湖の鷭を狙撃ねらいうちに撃って廻る。
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)