物詣ものもうで)” の例文
数年このかた物詣ものもうでなどするにつけてもどうかもう一人ぐらい女の子でもお授け下さるようにとお祈りし続けていたが、だんだんそんな望も絶えた年頃になり
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
物詣ものもうでさえも自由にはならぬ世じゃのう」と法皇も嘆息されたという。
「もうそちらの物忌も過ぎただろうに、何だっていつまで余所よそへ往っているのだ。どうもわかり難そうな所なので、つい伺わずにもいるが。——こちらの物詣ものもうでけがれが出来たので止めた」
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
この春は、祭や物詣ものもうでなどにその少女が珍らしがって往きたそうにしているので、そう若いものばかりだけを出してやることも出来ないので、私も連れ立って一しょに出かける事もつい多かった。
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)