牢愁ろうしゅう)” の例文
と、風呂場には、新しい衣服をそなえさせ、夜には、食膳を共にするなど、何くれとなく、その牢愁ろうしゅうを、なぐさめた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうして道誉はついに、板屋廂いたやびさし牢愁ろうしゅうにおわす先帝後醍醐に、給仕人として、近づくことになったのである。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
真の牢人とは、心に牢愁ろうしゅうのなやみを抱き、意志の牢固な節操をもった者じゃ。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼のその牢愁ろうしゅうも、いつか七十余日である。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)