父皇ちち)” の例文
「もちろん、そんな中ではいわん。あるいは、父皇ちちの御顔を見たら、それなりいえずにしもうことかもしれぬが」
亡き父皇ちち後宇多ごうだの世頃、その故院こいんに仕えていた古公卿ふるくげもあり、はや新朝廷の内で時めかしている者もあった。——なつかしい顔、憎い顔、いちいちは拾いもえない。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
侍女にせがんで、父皇ちちのおあとを慕い、ついに都を出てしまった。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)