熊野牛王くまのごおう)” の例文
熊野牛王くまのごおうの誓紙には、日本国中の大小神祇じんぎ八幡大菩薩はちまんだいぼさつ愛宕山権現あたごやまごんげん、ところの氏神にも、違背いはいあれば御罰をこうむらんと明記してある。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わしも一と身代しんだいつくるつもりだ。……え、品の納入先おさめさきはどこかって。そいつは、いえない。熊野牛王くまのごおう誓文せいもんにかけて、これだよ
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わが祖廟そびょう、北条氏にたいして、ちかって異心をはさみ奉らずというむねを、熊野牛王くまのごおうの誓紙にしたためて差出せい」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
熊野牛王くまのごおうの誓紙は実にこのあとですぐ持ち出されたのであった。そして十三名が血判けっぱんした。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正面には山屋敷あずかりの与力、熊野牛王くまのごおうの神紙二十七枚を三方にのせて前へ置き、側には、机を控えて同心と書役かきやく、左の袖部屋にも三、四の下役がおそろしく緊張したていで折目を正している。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)