煩多はんた)” の例文
それに道修町の時分にはまだ両親や兄弟達へ気がねがあったけれども一戸のあるじとなってからは潔癖とままつのる一方で佐助の用事はますます煩多はんた
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
自由に対する慾望は、しかしながら、すでに煩多はんたなる死法則を形成した保守的社会にありては、つねに蛇蠍だかつのごとく嫌われ、悪魔のごとく恐れらるる。
初めて見たる小樽 (新字新仮名) / 石川啄木(著)