烏林うりん)” の例文
これは誰しもむ大不吉にちがいない。間もなく連環の艨艟もうどうはことごとく帆をめぐらしかじを曲げて、烏林うりんの湾口ふかく引っ返してしまった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
烏林うりん赤壁せきへきの両岸とも、岩も焼け、林も焼け、陣所陣所の建物から、糧倉、柵門、馬小屋にいたるまで、眼に映るかぎりは焔々たる火の輪をつないでいた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曹操が自負満々だった魏の大艦船団が、烏林うりん赤壁せきへきにやぶれて北に帰り、次いでまた、玄徳が荊州を占領したと聞いたとき、彼は何か書き物をしていたが、愕然がくぜん、耳を疑って
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大江の水は、素絹そけんを引いたように、月光にかすんでいた。——南は遠く呉の柴桑山さいそうざんから樊山はんざんをのぞみ、北に烏林うりんの峰、西の夏口かこうの入江までが、杯の中にあるような心地だった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わが皇叔以下、われわれ臣下は、かの烏林うりんの激戦に、みな命をなげうち矢石をおかして、血をもって奪った地ではないか。地下の白骨に対してもそうおいそれと他国へ譲れるものかどうか。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汝はまず、その一名の蔡仲を案内者として、曹操に降参すととなえ、船を敵の北岸へ寄せて、烏林うりん上陸あがれ。そして蔡仲の旗をかざし、曹操が兵糧を貯えおく粮倉ろうそうへ迫って、縦横無尽に火をつけろ。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この辺もまだ烏林うりんです」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)