火消人足ひけしにんそく)” の例文
総年寄そうどしより今井が火消人足ひけしにんそくを指揮して、焼けた材木をけさせた。其下から吉兵衛と云ふ人足がづ格之助らしい死骸を引き出した。胸がつらぬいてある。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
此二手は総年寄今井官之助、比田小伝次ひだこでんじ永瀬ながせ七三郎三人の率ゐた火消人足ひけしにんそく前以まへもつて取り巻かせてある美吉屋みよしやへ、六つ半時に出向いた。搦手からめては一歩先に進んで西裏口を固めた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
丁度火消人足ひけしにんそくが谷町で火を食ひ止めようとしてゐる所であつたが、人数が少いのと一同疲れてゐるのとのために、くれ六つはんに谷町代官所に火の移るのを防ぐことが出来なかつた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)