滊車きしゃ)” の例文
小林こばやしぬしは明日わが隊とともにムッチェンのかたへ立ちたまふべければ、君たちの中にて一人塔のいただき案内あないし、粉ひき車のあなたに、滊車きしゃけぶり見ゆるところをも見せ玉はずや
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
買ひて見れば、国王ベルヒの城にうつりて、容体ようだい穏なれば、侍医グッデンも護衛をゆるめさせきとなり。滊車きしゃ中には湖水のほとりにあつさ避くる人の、物買ひに府に出でし帰るさなるが多し。王のうわさいとかまびすし。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)