満谷みつたに)” の例文
旧字:滿谷
「どうだろう? 満谷みつたに君、」と中倉先生も少しこの問いには困ったらしい。自分も即答はしかねたが、加藤男爵の事についてかねていくらか考えてみた事のあるので
号外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
洋画家の満谷みつたに国四郎氏はこのごろ謡曲に夢中になつて、画室アトリエで裸体画の素描デツサンる時にも、「今はさながら天人てんにん羽根はねなき鳥の如くにて……」と低声こごゑうたひ出すのが癖になつてゐる。
洋画家満谷みつたに国四郎氏が名代の謡曲天狗なのは、画家ゑかき仲間では知らぬ人もない。氏にを頼みに出掛けるものは、何をいても先づその謡曲を聴くだけの辛抱をたなければならない。
つくること、やめた! ねえ、そうじゃアないか満谷みつたにの大将
号外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)