淳樸じゆんぼく)” の例文
像を懸けたる一本ひともとの葡萄は、早く熱のために葉をこがし、その幹は傾きて、首を垂れ憐を乞ふ如くなり。衆人もろひとの中なる淳樸じゆんぼくなる民等が眼は、その發落なりゆきいかならんとこの尊き神像に注げり。
気風もまた淳樸じゆんぼくであつた。
スケツチ (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)