淮陰わいいん)” の例文
さて、玄徳のほうでは、留守の徐州にそんな異変が起ったとは知るはずもなく、敵の紀霊きれいを追って、その日、淮陰わいいんの河畔へ陣をすすめていた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むかし淮陰わいいんの少年が韓信かんしんあなどり韓信をして袴下こか匍伏ほふくせしめたことがある。まちの人は皆韓信かんしん怯懦きょうだにして負けたことを笑い、少年は勝ったと思って必ず得々とくとくとしたであろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
淮陰わいいんのあたりまで退いて、陣容を立て直したが、玄徳あなどり難しと思ったか、それから矢戦にのみ日を送って、にわかに、押してくる様子も見えない。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
淮陰わいいんの河口は大水があふれて、紀霊軍も追撃することはできなかった。その暴風雨あらしの闇にまぎれて、玄徳は、盱眙くいの陣をひきはらい、広陵こうりょうの地方へ落ちて行った。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
虞翻ぐほんが口を閉じると、すぐまた、一人立った。淮陰わいいん歩隲ほしつあざな子山しざんである。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)