浅間山あさまやま)” の例文
旧字:淺間山
おととしの浅間山あさまやまの噴火以来、世の中が何となくさわがしくなって、江戸でも強いあらしが続く。諸国ではおそろしい飢饉ききんの噂がある。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
上州じやうしうの三山、浅間山あさまやま木曾きそ御嶽おんたけ、それからこまヶ嶽たけ——そのほか山と名づくべき山には、一度も登つた事のない私であつた。
槍ヶ岳紀行 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
今でも時々噴火をするが、浅間山あさまやま阿蘇山あそさんのように、大爆発をして、噴煙が天にちゅうし、数百マイルのかなたまで灰を降らすというようなことは決してない。
黒い月の世界 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
今私は浅間山あさまやまのふもとの客舎で、この原稿を書きながらうぐいすやカッコウやホトトギスやいろいろのうたい鳥の声に親しんでいる。きじらしい声も聞いた。
日本人の自然観 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
八月十五日に浅間山あさまやま観測所の落成式があった。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)