トップ
>
浄人
>
きよめ
ふりがな文庫
“
浄人
(
きよめ
)” の例文
「今物語」に、或る五位の蔵人が、
革堂
(
こうどう
)
で
窈窕
(
ようちょう
)
たる佳人を見てそれに懸想し、そのあとをつけて行ったところが、一条河原の
浄人
(
きよめ
)
の小屋に這入ったという話がある。
賤民概説
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
なお漂泊民と莎草との関係を彷彿せしめるものに、自分は今物語の
浄人
(
きよめ
)
の話を提供したい。今物語は藤原信実の著だとあって、鎌倉時代のものであるが、それにはこうある。
くぐつ名義考:古代社会組織の研究
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
と独りごちて、
浄人
(
きよめ
)
が家のありけるに入りにけり。男
憂
(
う
)
れしもいと憐に、不思議と覚えけり。
くぐつ名義考:古代社会組織の研究
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
浄人
(
きよめ
)
とは本来掃除夫の称で、一条河原に小屋住居した所謂河原者すなわち小屋者である。
くぐつ名義考:古代社会組織の研究
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
寺院境内境外の掃除を
掌
(
つかさど
)
ったもので、『塵袋』にエタと称した
浄人
(
きよめ
)
の徒であった。
俗法師考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
▼ もっと見る
賤者の名称が同じ程度の他のものに移り行く事は、もと主鷹司の雑戸なる
餌取
(
えとり
)
の名が、エタと訛って
浄人
(
きよめ
)
・河原者等にも及び、はては死牛馬取扱業者にのみ限られる様になった例もある。
サンカ者名義考:――サンカモノは坂の者
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
エタまたはエッタと呼ばれた古えの河原者・
浄人
(
きよめ
)
の徒と同じ仲間と解せられる。
俗法師考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
かつては
浄人
(
きよめ
)
(塵袋)をも、河原者(壒嚢抄)をも、青屋(三好記雍州府志)をも、エタの名を以て呼んでいた事は、「エタと皮多」(三巻六号)の条下にも既に説き及んでおいた事である。
サンカ者名義考:――サンカモノは坂の者
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
それはただに
濫僧
(
ろうそう
)
・
屠者
(
えとり
)
・
浄人
(
きよめ
)
とのみに限らず、室町時代には井戸掘り・庭作りなどの業にも従事し、その或る者は遊芸を事として、後世俳優を河原者という語の起原をもなしているのである。
旃陀羅考:日蓮聖人はエタの子なりという事
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
もとは
浄人
(
きよめ
)
・川原者並びに唱門師の徒をも、エタと呼んだものであった。
俗法師考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
浄
常用漢字
中学
部首:⽔
9画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“浄”で始まる語句
浄
浄瑠璃
浄土
浄玻璃
浄衣
浄化
浄瑠璃寺
浄几
浄海入道
浄地