“洞内（どうない）” の例文
近頃この鬼仏洞を見物する連中が殖（ふ）え、評判が高くなってきたのはいいとして、先頃以来この洞内（どうない）で、不慮（ふりょ）の奇怪な人死（ひとじに）がちょいちょいあったという妙な噂もあるので
鬼仏洞事件 (新字新仮名) ／ 海野十三(著)
このまに仏国少年ガーネットは幼年組をさしずして、なべかま食器類を洞内（どうない）に運ばした。
少年連盟 (新字新仮名) ／ 佐藤紅緑(著)
するが、あなた方は、洞内（どうない）の規定を守ってもらわなければならん。第一、わしの許可なくして、物に手を触れてはならない。第二、煙草をすってはならない。第三に……
鬼仏洞事件 (新字新仮名) ／ 海野十三(著)
六月の下旬（げじゅん）になると寒暖計はしだいにくだって、零点以下（れいてんいか）十度ないし十二度のあいだを上下するようになったが、しかし洞内（どうない）にはまきの貯蓄（ちょちく）が十分であったから、さまでの苦しみもなかった。
少年連盟 (新字新仮名) ／ 佐藤紅緑(著)