“洋襟(カラア)” の例文
私と彼女は、理髪師のようなつめたいにおいを発散させながら礼装の肩を較(くら)べた。私には固い洋襟(カラア)が寒かった。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
すると突然私の鼻さきに菫(すみれ)の花が咲いた。それは安価香水のにおいと田園の露を散らして私の洋襟(カラア)を濡らした。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
サクセフォンは呻吟し、酒樽型の太鼓は転がるように轟(とどろ)き、それにフィドルが縋(すが)り、金属性の合の手が絡み——ピアニストは疾(と)うに洋襟(カラア)を外して空(クウ)へ抛(なげう)っていた。
踊る地平線:11 白い謝肉祭 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
ジョウジのように洋襟(カラア)をはずし、一ばんきたない服を着て聖ミシェルか Les Halles あたりの酒場(バー)から酒場を一晩うろついてみるか。これもBON!
水を入れると歌い出す小鳥のコップ・開け方のわからない謎の洋襟(カラア)箱・検微鏡でなければ針の読めない小さな時計・オルゴウル入りで「甘い家庭(スウィイト・ホウム)」を奏する煙草壷
踊る地平線:11 白い謝肉祭 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
洋襟(カラア)のかわりに首のまわりに青い絹を結んで端をだらりと垂らしてるのが、恐らく前世紀的でもあったし、また観察によっては、領地巡視中の英吉利貴族(イギリスロウド)といった場外れの効果がないでもなかった。
金属性の合いの手が加わり——ピアニストは洋襟(カラア)を外して宙へ放る。
踊る地平線:11 白い謝肉祭 (新字新仮名) / 谷譲次(著)