洋剣サーベル)” の例文
旧字:洋劍
また、歩兵用戦斧せんふをはじめに、洋剣サーベルの類も各年代にわたっていて、ことに、ブルガンディ鎌刀やザバーゲン剣が珍奇なものだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
全体どこまで掘って来たのですかと聞き返すと、ついそこですと洋剣サーベルを向けて教えてくれた。何でも九月二日から十月二十日とかまで掘っていたと云うのだから恐るべき忍耐である。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それは、格闘中右胸上部に洋剣サーベルを刺されたままになっていた竜騎兵伍長が、それから六十時間後に、棺中に蘇生したと云うのです。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
今日はちと差支さしつかえがあるから四時頃までならと云う条件であったが、山の出鼻へ立って洋剣サーベルむちの代りにして、あちらこちらと方角を教える段になると、肝心かんじんの要事はまるでそっちのけにして
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
死因は、たぶん上大静脈を洋剣サーベルの背で圧迫したために、脈管が一時狭窄きょうさくされて、それが心臓への注血を激減させたに相違ない。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)