法螺貝ほらがひ)” の例文
毎朝未明に、附近の寺々の鐘に先立つて、彼は「わう、わう」と物々しく法螺貝ほらがひを吹き鳴らした。その怪しげな気味の悪い響が、谷間に反響して、人々の暁の夢を破つた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「それは、あの、法螺貝ほらがひを吹いて、御祈祷ごきたうをいたします、山伏やまぶしの一人でございました。」
岩を小くする (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
「だがね御坊、變なことを言つたり、妙な素振そぶりがあつたりすると、與吉兄哥は氣が短けえから、お前さんの法螺貝ほらがひくらゐぢや驚かないかも知れないぜ。素直に話に乘つたらどうだ」
銅鑼どらだ、太皷たいこだ、法螺貝ほらがひ
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)