法燈ほうとう)” の例文
新字:法灯
実際、串戯じょうだんではない。そのくらいなんですもの。仏教はこれから法燈ほうとうの輝く時です。それだのに、何故なぜか、貴下あんたがたが因循いんじゅんして引込思案ひっこみじあんでいらっしゃる。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
けれど、年々その忌日には、恵林寺えりんじをはじめ諸山の法燈ほうとうは秘林の奥にゆらいで、万部経をみあげていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『祖師の言句をなみし経教きょうぎょうをなみする破木杓、脱底つうのともがら』を言葉するどく破せられた道元和尚の法燈ほうとうは、今なお永平寺に消えずにいるという。それも俺は見たい。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
が、どうしても忘れられないのは、あの眼も覚めるような秋山図しゅうざんずです。実際大癡たいち法燈ほうとうを継いだ煙客翁えんかくおうの身になって見れば、何を捨ててもあれだけは、手に入れたいと思ったでしょう。
秋山図 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
『祖師の言句をなみし経教きょうぎょうをなみする破木杓、脱底つうのともがら』を言葉するどく破せられた道元和尚の法燈ほうとうは、今なほ永平寺に消えずにゐるといふ。それも俺は見たい。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)