治部じぶ)” の例文
「いや、まったくは、治部じぶ少輔しょうゆう兼顕かねあきの三男、卜部兼好うらべかねよしでおざるよ。……俗の名を取ってそのまま、今は兼好法師と呼ばれておるが」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どんな不自由なことがありましても、貴方あなたの出世でございますから、きっとお留守を守っております、これと云うのも中納言様が、貴方のおことばをお用いにならずに、治部じぶ殿の味方を
水面に浮んだ女 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「あれも関ヶ原の敗北者の一人、石田治部じぶとは刎頸ふんけいの友だった大谷刑部ぎょうぶの家中で、溝口信濃みぞぐちしなのという人間じゃ」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——時に、治部じぶ殿は、御閉居以来、どうじゃの、元気か」
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)