河下かはしも)” の例文
河岸かしへ出るともう煙花はなびの見物人が続続ぞく/\と立て込んで居る。警固の兵士が下士かしれられて二けんおきぐらゐに配置されて立つて居た。河下かはしもへ向いて自分等は歩いて居るのである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
永代橋えいたいばし河下かはしもには旧幕府の軍艦が一艘商船学校の練習船として立腐たちぐされのまゝに繋がれてゐた時分、同級の中学生といつものやうに浅草橋あさくさばしの船宿から小舟こぶねを借りてこのへんを漕ぎ廻り
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)