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沈黙家
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むつつりや
ふりがな文庫
“
沈黙家
(
むつつりや
)” の例文
旧字:
沈默家
すると、土に塗れた水呑百姓が、大きな黒牛を追ひながら、のつそりと通りかかるのが目についた。正直で、おまけに
沈黙家
(
むつつりや
)
の牛だ。
茶話:12 初出未詳
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
沈黙家
(
むつつりや
)
ではあつたが、世間並に
母親
(
おふくろ
)
が一人あつた。この
母親
(
おふくろ
)
がある時芝居へ
往
(
ゆ
)
くと、
隣桟敷
(
となりさじき
)
に
予
(
かね
)
て
知合
(
しりあひ
)
の
某
(
なにがし
)
といふ女が来合せてゐた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
長らく
聖
(
セント
)
バアソロミウ医院に勤めてゐたが、物言はずの
沈黙家
(
むつつりや
)
と不作法なのとで聞えた男だつた。ある時若い貴婦人がこの医者の診察室に入つて来た。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
かういつて、髪の毛が長く額に垂れかゝつたのをうるささうにかき上げながら、顔をもち上げたのは、仲間で一番年若で、おまけに
沈黙家
(
むつつりや
)
で評判の高いOといふ画家だつた。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
伊勢は寂照寺の画僧
月僊
(
げつせん
)
は乞食月僊と言はれて、幾万といふ潤筆料を
蓄
(
た
)
め込んだ坊さんだが、その弟子に谷口月窓といふ男がゐて、
沈黙家
(
むつつりや
)
で石のやうに手堅い
性
(
うま
)
れつきであつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
饒舌家
(
おしやべり
)
の小鳥も、
沈黙家
(
むつつりや
)
の獣も、さすらひ人の蝸牛も、地下労働者のもぐらもちも、みんな魔術にでもかかつたやうに、いい気持になつて夢を見てゐるなかに、この桜の花のみは
桜の花
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
沈黙家
(
むつつりや
)
で石のやうに手堅い生れつきであつた。
幽霊の芝居見
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
沈
常用漢字
中学
部首:⽔
7画
黙
常用漢字
中学
部首:⿊
15画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“沈黙”で始まる語句
沈黙
沈黙派
沈黙寡言