江畔こうはん)” の例文
江畔こうはんの大地主穆家ぼくけでは、明けがた大勢の客を迎え入れていた。息子二人は手柄顔てがらがおに、江上こうじょうから連れ帰った珍客の宋江そうこうを、まずわが親にひきあわせる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここは江畔こうはんの一軒。例の田舎酒屋のじいさんと、せがれの王定六とが、いまし方、店を開けたばかりのところだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくて万里の外ほどではないが、日ならずして、彼らは、山東さんとう梁山泊りょうざんぱく江畔こうはんに行き着き、そこの生々たる夏の風に、初めてほッと旅焦たびやけの顔を吹かれていたことだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)