汐鳴しおな)” の例文
「あの汐鳴しおなりを耳にうかべると、おりんもいつでも、行って見とうございます。それにしても、相良様さがらさまは、どうなすったでございましょうね」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遠雷のような汐鳴しおなりの音と、窓を打つ瀟々しょうしょうたる雨の音に、私がぼんやり目を覚ましたのは十時頃だったろうか、コロロホルムの酢のような匂いが、まだ部屋中に流れているようで
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
沖の汐鳴しおなりが変ってきた。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)